作務衣及び甚平制作

作務衣(さむえ)や甚平(じんべい)の作り方や型紙、パターン、縫い方について書いていこうと思ってます。

100円ショップダイソーで買った手ぬぐい

数年前にいわゆる100均のダイソーで買った手ぬぐいです。

寸法は、約横35cm(13.8in)×縦95cm(37.4in)と記載されています。

素材は綿100%です。普通の手ぬぐい(観光地などで売っている和柄の手拭い)より硬い手触りです。


実寸は、横34.5cm、縦93.9cmくらいでした。

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作務衣、甚平 囲み製図の転記方法 パンツ編

作務衣や甚平のパンツ(ズボン)の囲み製図を、型紙(パターン)に転記する方法です。
あらかじめ寸法が定められている製図用です。 
製図によっては、これ以外の線や点を記載する必要があるかもしれません。

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【準備するもの】
●大きな紙(できれば方眼紙)
●鉛筆またはシャープペンシル
●定規(50cm方眼定規がおすすめ)

1.前パンツ(前パーツ、前身頃)の線を引く
1-1.脇の縦線(側垂線)を引く
 指定された寸法分の線を引きます。

1-2.ウエスト部分の横補助線を引く
 側垂線の上端から、左側に向かう線を引きます。 
 製図によっては、ウエストライン(腹位線)と同一の場合もあります。

1-3.ヒップライン(HL、腰囲線)を引く
 ウエスト部分の補助線と平行の線を、側垂線から左に向かって指定された寸法で引きます。 

1-4.股上線(股ぐり基線)を引く 
 ヒップラインと平行の線を、側垂線から左に向かって引きます。
 製図によっては、この線を「股ぐり基線」と呼んでいる場合があります。

1-5.膝部分の補助線を引く
 甚平のズボンの場合は、股下が短いため、この補助線が不要な場合があります。

1-6.裾部分の横補助線を引く
 側垂線の下端から左に向かって側垂線に対し垂直に引きます。

1-7.裾幅寸法の印をつける
 裾部分の補助線上に、裾幅寸法の印をつけます。

1-8.前中心の縦線を引く
 ウエスト部分の補助線左端から裾方向へ股上線まで垂直に線を引きます。
 作務衣や甚平の場合は、この線が「前中心線」となることが多いです。

1-9.股ぐり部分の補助線を引く
 ヒップラインと前中心線の接点から、股上線の左端の点に向かって、斜めの線を引きます。

1-10.ウエストラインを引く
 ウエストラインがヒップラインと平行の場合は、1-2.で引いた線(の一部)がウエストラインになります。
 ウエストラインがヒップラインと平行でない場合は、指定された寸法でウエストラインを引きます。
 例図の場合は、前中心線の上端から1cm下がったところから、ウエスト部分の補助線上の、側垂線上端より2cm左へ離れた点に向かって線を引き、ウエストラインとします。

1-11.脇線(HLより上)を引く
 作務衣・甚平の場合、まっすぐで側垂線と同じラインとなる製図が少なくないかもしれません。
 例図の場合は、ウエスト部分の補助線上の、側垂線上端より2cm左へ離れた点から、ヒップラインと側垂線が接する点にむかって、なだらかな曲線を引きます。

1-12.股ぐり線(HLより下)を描く
 斜線の下に、自然なカーブで描きます。
 例図の場合は、股上線と前中心の縦線の接点から、左斜め45度の方向に1cmの長さの線を引き、その線の左上端を通るように股上線と前中心の縦線の接点から股上線の左端の点に向かって自然なカーブを引きます。

1-13.股下の補助線を引く
 股ぐり線の下端から膝線の左端まで、斜めの補助線を引きます。

1-14.股下線(股上線から膝線まで)を描く
 股下線から膝線まで、自然なカーブで股下線を描きます。
 股ぐり基線付近は比較的急なカーブで、膝の付近は膝下の直線とつながるようになだらかに描きます。
 例図の場合は、斜めの補助線を4等分し、上(股下側)の4等分点から右上へ向かって垂直に0.5cmの長さの線を引き、その線の先端を通るように股下の曲線を描きます。

1-15.股下線(膝線から裾線まで)を引く
 膝線の左端から裾線の左端まで、直線を引きます。

1-16.ファスナーあき止まりの線をつける
 前中心線~股ぐり線の間に、ファスナーのあき止まりの印をつけます。

1-17.ファスナーの縫い印を描く
 製図によっては、ファスナーの縫い印の寸法が指定されています。
 あき止まり近くは、寸法が指定されず、自然なカーブを描くようになっている製図がよく見受けられます。

1-18.ポケット口(ポケットくち)の印をつける
 脇線上(製図によっては別の個所)に、ポケット開口部の印をつけます。


2.後ろパーツ(後ろパンツ、後ろ身ごろ)の線を引く
2-1.ウエスト部分の横補助線を引く
 指定された寸法分の線を引きます。
 基本的には、前パーツの1-2.で引いた線を右側に延長して引くそうですが、製図を基に型紙を作成する場合は、ずらして作成したり、別の紙で作成しても支障ないと思います。

2-2.側垂線を引く
 ウエスト部分の横補助線の左端から、裾に向かって指定された寸法分の線を引きます。

2-3.ヒップライン(HL、腰囲線)を引く
 ウエスト部分の補助線と平行の線を、側垂線から右に向かって指定された寸法で引きます。 

2-4.股上線(股ぐり基線)を引く
 ヒップラインと平行の線を、側垂線から右に向かって指定された寸法で引きます。
 製図によっては、この線を「股ぐり基線」と呼んでいる場合があります。

2-5.膝部分の横補助線を引く
 甚平のズボンの場合は、股下が短いため、この補助線が不要な場合があります。

2-6.裾部分の横補助線を引く
 側垂線の下端から左に向かって側垂線に対し垂直に指定された寸法で引きます。

2-7.後ろ中心付近の縦補助線を引く
 ウエスト部分の補助線右端から裾方向へ股上線まで垂直に線を引きます。

2-8.股上線右端から垂線を引く
 股上線の右端の点から、裾方向へ向かって、垂線を指定された寸法で引きます。
 例図の場合は、右端の点から長さ1cmの垂線を引きます。
 製図によっては、この垂線が必要ない場合もあります。

2-9.股上線と並行した補助線を引く
 2-8.で引いた線の下端から、左側に向かって股上線と並行した補助線を引きます。
 長さは、2-7.で引いた縦補助線より2~3cmほど左に超えたあたりまでで大丈夫です。

2-10.股ぐり線(HLより下)を描く
 2-9.で引いた補助線の右端から、HLまで、自然なカーブで線を引きます。
 例図の場合は、股上線と前中心の縦線の接点から、右斜め45度の方向に2.5cmの長さの線を引き、その線の右上端を通るように、2-9.の補助線からHLまで、自然なカーブを引きます。
 製図によっては、終点(この線の上端)が、HLと縦補助線の交点と一致しない場合があります。
 
2-11.ウエストラインの右端点を求める
 ウエストラインの右端となる点、すなわち後ろ股ぐり線(後ろ中心線)との交点に印をつけます。
 例図の場合は、ウエスト部分の横補助線の右端から、左へ2.8cm、上へ4.5cm離れた場所に点印をつけ、この点印からウエスト部分の補助線まで垂線を引いています。

2-12.股ぐり線(HLより上)を描く
 2-10.で引いた線の続きを、HL上(又は左端)の点から、ウエストラインの右端点(2-11.参照)まで引きます。
 例図の場合は、HLと縦補助線の交点から、ウエストラインの右端点まで、直線を引きます。

2-13.脇線(HLより上)を引く
 ウエストラインの左端点を求め、そこからHL上(又は右端)まで、なだらかな曲線を引きます。
 例図の場合は、ウエスト部分の横補助線と側垂線の交点より右方向へ2cm離れた点から、HLと側垂線の交点に向かって、なだらかな曲線を引きます。

2-14.ウエストラインを引く
 ウエストラインの右端点から左端点まで線を引きます。

2-15.股下の補助線を引く
 股ぐり線の右下端から膝線の左端まで、斜めの補助線を引きます。

2-16.股下線(股上線から膝線まで)を描く
 股ぐり線の右下端から膝線の左端まで、前パンツの股下線と同じ長さで、なだらかな曲線を描きます。
 例図の場合は、斜めの補助線を4等分し、上(股下側)の4等分点から右上へ向かって垂直に1cmの長さの線を引き、その線の先端を通るように股下の曲線を描きます。

2-17.股下線(膝線から裾線まで)を引く
 膝線の左端から裾線の左端まで、直線を引きます。

2-18.持ち出し・見返しの線を引く
 ファスナーやボタンで前が開くデザインの場合に必要となります。
 例図の場合は、持ち出しと見返しの製図を共通としており、見返しは持ち出しを反転させた図形となります。
 
2-19.ポケットの線を引く
 ポケットがあるデザインの場合に必要となります。
 例図の場合は、両脇に袋状のポケットがあるデザインです。
 ポケットの底は、角を丸くしており、角から縦横それぞれ3cm離れた点を起点・終点として、角から斜め45度、長さ1cmに引いた線の先端を通る線を描きます。

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作務衣、甚平 囲み製図の転記方法 上着編

作務衣や甚平の上着の囲み製図を、型紙(パターン)に転記する方法です。
製図によっては、これ以外の線や点を記載する必要があるかもしれません。




【準備するもの】
●大きな紙(できれば方眼紙)
●鉛筆またはシャープペンシル
●定規(50cm方眼定規がおすすめ)

1.後ろパーツ(後ろ見頃)の線を引く
1-1.後ろ中心の縦線を引く
 縦線の長さは、囲み製図の中で指示されています。中には足し算が必要な製図も時折見受けられます。
  例)後ろ身頃の後ろ中心線寸法+衿あき分寸法=縦線の長さ
 
1-2.肩部分の横線を引く
 肩部分の横線を、後ろ中心の縦線の上端から向かって右方向へ、縦線に対し垂直に引きます。
 横線の長さは、囲み製図で指示されています。中には足し算が必要な製図も時折見受けられます。
  例)首あき部分寸法+肩線寸法=横線の長さ

1-3.裾線を引く
 後ろの裾部分の横線を、後ろ中心の縦線の下端から、縦線に対し直角になるように引きます。
 横線の長さは、一般的な作務衣や甚平の場合、後ろパーツの下の辺の長さ(裾線)と同じ数値です。

1-4.衿の縦横案内線を引く
 後ろ中心線上の、首の後ろ部分のあき寸法分離れた場所に、印をつけます。
 その印から、右つまり肩先方向へ垂直に、衿ぐりの幅寸法と同じ長さの線を引きます。
 女性用和服(着物)で例えると、繰り越し部分から、衿肩あきの寸法の線を引く形になります。

1-5.衿の縦案内線を引く
 肩部分の横線上に、左端から右方向へ衿ぐりの幅寸法分離れたところに印をつけます。
 その印から、下(裾)方向へ垂直に、1-4.の首の後ろ部分のあき寸法と同じ長さの線を引きます。
 女性用和服(着物)で例えると、衿肩あきの点から、繰り越し寸法分の線を引く形になります。

1-6.衿ぐり線を引く
 1-5.で描いた横線上の印から、1-4.で描いた縦線上の印に向かって、衿部分として自然な湾曲線を描きます。
 カーブの度合いは、例に挙げた製図の場合、衿部分の横案内線と縦案内線の交点から、左上へ45度の角度で0.8cmの線を引き、その先端を通るように衿ぐり線を引きます。
 製図によっては、車線の補助線を引き、間に寸法が書かれている場合があります。その場合は、カーブの線と補助線が一番離れている場所の開き幅がその寸法となります。

1-6.脇線を引く
 肩部分の横線の右端から、裾線の右端に向かって、垂直に線を引きます。

1-7.袖つけ止まり(袖ぐり底点)の印を書く
 脇線上に、袖をどこまでつければよいかわかるように、印を書きます。

1-8.脇縫い止まりの印を書く
 脇のスリットがある型紙の場合、縫い止まりの印をつけます。

2.前パーツ(前身頃)の線を引く
2-1.縦案内線(前中心線)を引く
 引く線の長さは、服の前パーツ(前身頃)の着丈と同寸法です。
 着丈の記載がない場合は、肩の一番高い部分から裾までの寸法を求め、記載してください。

2-2.肩部分の横線を引く
 肩部分の横線を、前中心の縦案内線の上端から向かって左方向へ、前中心線に対し垂直に引きます。
 横線の長さは、囲み製図で指示されています。中には足し算が必要な製図も時折見受けられます。
  例)首あき部分寸法+肩線寸法=横線の長さ

2-3.裾線を引く
 裾部分の横線を、前中心線の下端と接して、前中心線に対し垂直すなわち肩部分の横案内線と並行して引きます。
 横線の長さは、囲み製図で指示されています。中には足し算が必要な製図も時折見受けられます。

  例)肩部分の横案内線長さ
   +おくみ(前中心線の右側の部分)寸法
   =裾部分の横線の長さ

2-4.おくみ部分の横補助線を引く

2-5.前端線(おくみ部分の縦線)を引く

2-6.肩線上に衿あき寸法の印をつける 

2-7.前衿部分の補助線を引く

2-8.衿の線を引く

2-9.袖つけ止まりの印を書く
 脇線上に、袖をどこまでつければよいかわかるように、印を書きます。

2-10.脇の結び紐付け位置の印を書く

2-11.脇縫い止まりの印を書く
 脇のスリットがある型紙の場合、縫い止まりの印をつけます。

2-12.前ポケット付け位置の印を書く

3.袖パーツの線を引く

4.衿パーツ
 寸法が長く、紙におさまらないため、直接布に線を描きます。
 「わ」で記載されている製図もあります。そこで布を折り返す指示ですので、長さの寸法は2倍となります。

5.結び紐

6.ポケット

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